さる2024年12月24日,205系3100番代置き換え用の新型車両としてE131系の導入が正式に発表されました。このE131系はどのような仕様になるのでしょうか。
仙石線およそ80年振りの完全新車
仙石線の前身であった宮城電気鉄道時代はモハ901形を除いて全て自社発注車両であり買収時点で23両が自社発注車両でした。しかし買収後の1946年に宮城電気鉄道時代に発注したモハ800形の増備として811〜814が製造されたのを最後に仙石線向けの新型車両の新製導入は無くなり,1947年よりモハ31やモハ50といた17m級の鋼製国電が大量に流れ込んで来ます。
その後1974年末に最新の103系高運転台車の車体とした72系970番代が導入され仙石線久々の新型車両かと思われましたが実態は足回りは元の72系のままである為吊り掛け駆動のままでもあり車体のみが近代化される状況でした。その後103系が入線し新性能化,2002年に205系へ置き換えられ現在に至ります。
今回のE131系新製導入により仙石線への新型車両の直接導入は新系統開業によるHB-E210系を除けば72系970番台以来50年振り,完全新造車両となれば宮城電気鉄道時代に発注されたモハ811〜814以来79年振りの事となります。
https://www.jreast.co.jp/press/2024/sendai/20241223_s01.pdf
公式プレスリリースのリンク。
2002年から運用された205系は23年目で引導を渡す事となった。
E131系の車両概要
仙石線へ導入されるE131系は房総地区の0番代や相模線の500番代等のような拡幅車体を採用し,同じく買収路線である鶴見線の1000番代とは異なり結果になりました。この仕様になった事について,仙石線には既に拡幅車体のHB-E210系や検測でキヤE193系East i-Dが入線している事からも問題が無かったのでしょう。
前面デザインはE131系のデザインの意匠を受け継ぎつつもダミーの貫通扉を装備していた1000番代とは異なり,こちらはダミーの貫通扉も無い完全な非貫通前面となりました。この仕様になった要因に挙げられるのが205系同様に連結は行わないと共にATACSの運転台機器の都合上ダミーも設置出来なかった物と思われます。特筆すべきは行先表示器が従来のE131系が採用したフルカラーLEDでは無く液晶を採用したという点です。京阪3000系プレミアムカーや東武N100系のような私鉄特急型への採用はいくつかありますがJR,しかも通勤型車への採用は初となり今後への布石を築いていくという事なのでしょう。編成は相模線と同様にクモハ-サハ-モハ-クハとなると思われ,仙石線におけるクモハ車は103系のRM-128編成以来となります。
先に登場した宇都宮・日光線用の600番代。
車内は鶴見線の1000番代同様にコストカット仕様となりドア部の化粧板は省略されておりドア窓も1000番代同様のドア仕様を拡幅車体用に改良したものとなっています。
導入本数は4両14本で,現行の16本から2本減ることになります。これは現在仙石線の平日の運用数と同じ数でありこの事から一運用分の削減が想定されます。しかしこのまま1本減らしておしまい,という訳では無く,E131系導入完了を目処にE131系の本数を考慮した白紙ダイヤ改正が行われると考えられます。
終わりに
仙石線に79年振りの導入となった完全新型車両であるE131系。導入は2025年冬以降ですがこの新型車両が未来の仙石線を代表する車両となる事を願ってやみません。