徒然なるままに仙石線

このブログでは仙石線に関するあれこれを解説、考察などをして行きます。

205系3100番代に譲渡の可能性はあるのか

先日,鶴見線で20年に渡り運用されて来た205系1100番代が定期運用から離脱し遂にJR東日本管内で定期運用を持つ205系は仙石線のみとなってしまいました。しかしその3100番代もいつまで持つか分からない状況となっておりそう遠くない置き換えが考えられます。では,置き換えられた時に同車は譲渡されるという可能性はあるのでしょうか。

205系が譲渡された前例

205系が譲渡されたという例として有名なのがインドネシアの首都,ジャカルタ都市圏への譲渡でしょうか。2013年より始まったインドネシアへの譲渡はその後7年間に渡って行われ,総勢800両以上に上る205系が譲渡されました。その出所は横浜線,埼京線,南武線,武蔵野線です。特に武蔵野線から譲渡された物に関しては原型顔に加えてメルヘン顔と言われる曲面ガラスを採用したデザインを採用しているのが特徴です。800両以上の大所帯である事から現在ジャカルタ都市圏で運用される通勤車の半分以上が205系である為かつての東京都市圏と似た光景が繰り広げられています。しかも編成長も8両や12両と,東京都市圏で運用していた頃に匹敵する長編成で運用されているのも特徴です。そして205系が譲渡されたもう一つの会社として有名なのが富士急行こと富士山麓電氣鉄道でしょう。同社では205系を6000系として運用させており3両編成7本が富士急行線の主力車両として運用されています。こちらについても複数のデザインが運用されており側面が2段下降式の量産先行車や八高線の元3000番代と合わせて3つの分類の6000系が運用されています。

3100番代が譲渡される可能性は

さて,ここで本題となる205系3100番代が譲渡される可能性はあるのでしょうか。先に結論を言うと同車が譲渡される事は無いと思われます。インドネシアへの譲渡に関しては現状中古車両の譲渡が出来ない状態である為ここで海外譲渡の可能性は外れると思われます。そして富士急行への譲渡については一見すると鶴見線と合わせて譲渡出来るのでは無いか,と思われるかもしれませんが残念ながらこちらも譲渡される可能性は低いと思われます。富士急に譲渡された6000系はクモハ-モハ-クハという編成を組んでいるのに対し鶴見線用でクハ-モハ-クモハと編成が逆を向いており仙石線用はクハ-モハ-モハ-クハという編成を組んでおり3両化にはさらに改造を加える必要があります。実際6700番代は仙石線用と同じ編成からさらに改造を加え以前に導入された従来車と同じ編成を組んでいます。また補助電源装置も現在残る205系と6000系とは別物で前者がSIV,後者がMGを採用しており元は同じ形式とは言え現在いる6000系と異なる仕様の車両をわざわざ富士急行が欲しがるとはそう感じられません。他にも3100番代の譲渡先は色々考えられますが,直流モーター車が減りつつある現代,脱直流電動車の動きが地方私鉄にも及んでおり出所が無いからと伊予鉄道のように自社で車両を発注する事例も現れている中、足回りの老朽化も著しい3100番代の譲渡の可能性は正直言ってとても薄いように感じてしまうのです。

終わりに

205系3100番代の譲渡先は色々考えられ,特に筆頭と言えるのは富士急と思われますが機器の老朽化や機器の違いから譲渡される可能性は薄いと考えられます。別の路線で第三の活躍をする3100番代を見たいとも思いますが現実はとても難しそうです。