徒然なるままに仙石線

このブログでは仙石線に関するあれこれを解説、考察などをして行きます。

マンガッタンライナーの専属運用の快速とは

2003年に石巻市の萬画を利用した地域活性化を目的に生まれたマンガッタンライナー。M8編成が仙石線に登場してから20年という節目を迎えました。そんなマンガッタンライナーによって運用されたうみかぜはどのような列車だったのでしょうか。

土休日の快速うみかぜの1往復に登場したマンガッタンライナー

元々快速うみかぜは平日・土休日関係無く103系の全編成,2002年以降は205系との共通運用が組まれていました。2003年に観光促進の為にマンガッタンライナーがM8編成を用いて登場するとこの特別な205系に専用運用を与える事となります。平日は従来通りの共通運用でしたが,土休日の快速うみかぜ7号,うみかぜ18号に同編成が専属で入る事となりました。

うみかぜ7号はあおば通を10時02分に発車し石巻に11時02分に到着するという運用で停車駅は仙台-多賀城-本塩釜-松島海岸-高城町-野蒜-陸前小野-矢本から先石巻までの各駅に停車するという物でした。一方の上り快速うみかぜ18号は石巻を15時03分に発車しうみかぜ7号と同じ停車駅に止まりあおば通に16時03分着という物でした。

この専属のうみかぜ号に就く時のみマンガッタンライナーとしての特色を発揮する仕様で,石巻寄クハに設けられた2Wayシートをクロスシートに転換させて運用する事は勿論の事,車内アナウンスはロボコンによる自動放送が担当し肉声放送は緊急時を除いて原則行わないというとても凝った物でした。同時にこの自動放送では快速うみかぜ号という案内を行わず快速「マンガッタンライナー」と列車名として案内を行なっていました。

うみかぜ号の彩から現在まで

こうしてマンガッタンライナーという彩りが添えられた快速うみかぜですが2004年で愛称が廃止されます。しかしそれでも土休日の専用運用は残り午前中にあおば通を発車し正午前には石巻へ着き午後にあおば通へ戻るというダイヤは継続,ロボコンによる自動放送も残ります。しかしロボコンによる自動放送は次第に使われなくなっていってしまいます。2000年代後半には遂に撤去され,2Wayシートも海側のみクロスシートという仕様が常態化した事により観光列車要素が薄れてしまいます。そして2015年,仙石線経由の快速列車が廃止となり,同編成も普通列車での運用が基本となり現在に至ります。普通列車のみの運用が原則となった今も日曜日には専用運用が組まれており年に1度の松島基地航空祭に伴う臨時快速にマンガッタンライナーが充当されるとかつての快速マンガッタンライナーのうみかぜ号を思い出させる疾走を見せてくれます。

終わりに

快速うみかぜ号の最晩年期に颯爽と現れたマンガッタンライナーは普段の通勤列車が観光列車に早変わりするような存在でした。子供達の夢をのせて仙石間を疾走した快速「マンガッタンライナー」は現在もその血統を絶やさずHB-E210系へ受け継がれ現在でも子供達の夢を運び続けています。