徒然なるままに仙石線

このブログでは仙石線に関するあれこれを解説、考察などをして行きます。

205系3100番代はいつシングルアームパンタグラフになったのか

現在,仙石線で主力として運用される205系3100番代は全てシングルアームパンタグラフを搭載して運用されていますが仙石線に入線した当時は異なるパンタグラフを使用していました。いつ現在のパンタグラフに変わったのでしょうか。

入線当時は転用元のままのパンタグラフだった

元々仙石線の205系は山手線から転属して来た小窓車を基本に一部編成の先頭車が埼京線転属車という編成を組成しています。パンタグラフを積んでいるのは元山手線車のモハでパンタグラフは菱形のPS21パンタグラフ。これは仙石線へ入線して来た時もそのままの状態でした。厳密に言うとトップナンバーのM1編成は一度試運転で菱形パンタグラフを取り外しているのですがこの件はまた経緯が複雑な為また話は別の機会としましょう。
PS21パンタグラフは置き換える103系も搭載しているパンタグラフで互換性を持たせる為にもPS21菱形パンタグラフとしました。しかし2003年より登場したM12編成より一部編成には冬季期間中に架線の霜を除く為,通常期間は上げない霜取り用のパンタグラフを搭載しました。その霜取り用として載せられたのがPS33Cパンタグラフ。シングルアーム式のパンタグラフが霜取り用として搭載されたのです。その為霜取り用パンタグラフを搭載した編成には菱形とシングルアームの2つのパンタグラフが混在すると言う珍しい状態になったのです。

続々とシングルアームへ

103系が2004年7月に引退して以降,205系3100番代で統一された仙石線ですが霜取り用パンタグラフを搭載した編成ではパンタグラフがそれぞれで異なるという問題は整備的にもあまり好ましい状態とは言えません。さらに菱形パンタグラフは降雪に強いとは決して言えず広い面積を必要とする為着雪時にパンタグラフが上がらなくなると言う問題がありました。仙石線の存在する宮城県は北東北程の降雪は無いものの,それでも205系が運用して来た関東よりは圧倒的に寒く雪も多く降る地域です。もし上がらなくなったら…という事を考えられるのは必然だったと言えます。こう言った降雪時の対策としても霜取り用パンタグラフと同じで菱形よりも狭い面積で確保できるPS33Cパンタグラフへの交換は行われる事となり2005年の初めより段々とに施工され同年中にもM1〜M18の全編成への施工が完了しています。これ以降に仙石線で菱形パンタグラフを纏う営業用車両は無くなり全てがシングルアーム式のパンタグラフで運用されています。

終わりに

205系3100番代が仙石線でPS21パンタグラフを纏って走行した期間は3年間のみでした。同時期には同じような理由で川越・八高線用の205系3000番代も菱形パンタグラフからシングルアーム化されています。他の転属車達が2009年以降の換装である事を考えると両車の換装はとても早い方に入ると言えます。